16 November 2017

LTAPオオバン賞

ジャパン・バード・フェスティバルで、わたしも参加したリトルターン・アート・プロジェクト(LTAP)が最も優れた展示や体験プログラムを行った団体に贈られるオオバン賞を受賞した!
絶滅が心配されるコアジサシを守るためには、まずは知ってもらう事から、という趣向で、森ヶ崎の水再生センターの屋上のコロニーを保護・管理しているNPO法人リトルターン・プロジェクトと野生動物を描くアーティストがコラボして立ち上げたプロジェクトだ。



The Little Tern Art Project received the Coot Award, which was given to the best exhibitor at the Japan Bird Festival.  
The project started in collaboration between NPO Little Tern Project, whose activity is to protect the rooftop colony of Little Terns in Tokyo, and Japan Wildlife Art Society.  Around twenty artists visited the special colony to observe and sketch in early June and each created one artwork of Little Tern for the exhibition.    


photo by Little Tern Project

6月3日の取材時、スケッチするわたし。そして下に掲載したスケッチが、この写真に写るスケッチブックの左の絵だ。



My sketches during the visit to the colony can be found here.
Also, you can find Mari Otaguro's sketch and Utaka Godo's sketch of the day from the link.  

ジャパン・バード・フェスティバルでの展示は、取材を元に描いた完成画の初のお披露目会となった。



This is the exhibition of the final artworks at the Japan Bird Festival.  



Middle one is my artwork created by reduction linocut.



Blog posts about this project from other artists are Tsugumi's and Mitsuru Nagashima's
12月9日にリトルターン・プロジェクトの報告会が行われ、その会場でもLTAPで作られた作品が展示されます。少し作品数も増えて、バージョンアップするとのこと。

◆◇◆ リトルターン・プロジェクト2017報告会 ◆◇◆
日時:2017年12月9日 14:00-16:30
場所:大田区民ホールアプリコ 地下展示室(JR蒲田駅 東口から徒歩約3分)
内容:
・森ヶ崎水再生センター屋上営巣地での今年の成果報告
・特別講演「カラスとの棲み分けを考える」東京大学総合研究博物館 松原始 氏
・リトルターンアートプロジェクト作品展
参加無料

 

またこのプロジェクトを企画し、とりまとめをしてくださった大田黒摩利さんが書かれたLTAPについての記事が、BIRDER12月号に載っています! プロジェクトの全体像が分かるので、読んでいただけたらと思います。

13 November 2017

2017年度 谷津干潟のワイルドライフアート展

谷津干潟自然観察センター内での一ヶ月間の展示がはじまっている。わたしの絵もこんな感じで3点並んだ。
A Wildlife art exhibition has been on at the nature centre at Yatsuhigata marsh until the 3rd of December and I am showing three paintings.   



2017年度 谷津干潟のワイルドライフアート展
12月3日(日)まで、9:00-17:00
※入館は16:30まで ※12/3は12:00まで ※月曜休館
13名の作家による谷津干潟の生物の絵、30点以上が集まった。



今回はDMのデザインをやらせていただいた。アオサギの絵は伴義之氏の色鉛筆画だ。


Photo by Ranko Matsuda



展示の様子。自然保護区で展示をすると、生物観察ついでに絵が見られ、絵を見るついでに生物観察ができる。生物は好きだけれど都内のギャラリーに足を運んだことはない、なんていう人が絵を見てくれたり、逆に知り合いの展示は見に行くけれど自然保護区は縁がなかったという人が、展示を見るついでに干潟を眺めてくれたらいいなと思う。



荷物が重すぎて、長々とは観察できなかったけれど、搬入日の3日に見たハマシギ。セイタカシギもよく見る事ができた。

10 November 2017

じょやのかね

実は11月1日にもう一冊、絵本が出た。福音館書店から単行本として刊行された『じょやのかね』だ。書店で見かけたら、お手に取っていただけたらうれしい。
クリスマスの絵本は多いけれど、お正月の絵本は意外に少ない。これからクリスマス商戦がはじまる中で、この真っ黒い異端児の絵本をどこに置くか、全国の書店ではきっと悩んでいるに違いない。
Another of my picture book published in November is "Ring the Bell on New Year's Eve" in Japanese by Fukuinkan Shoten Publishers.  It is a story of Japanese culture and my first book without a single bird.  



『じょやのかね』
とうごう なりさ さく 
福音館書店 1,200円+税
I made the illustration with vinyl tile engraving, and printed only with black ink on cream-colourd paper.  



大晦日に男の子がお父さんと夜道を歩いて、除夜の鐘をつきに行くというシンプルなお話。大晦日の晩は「古い年が終わって、新しい年がはじまる時」。わたしが小さい頃に大好きだったオペラ「森は生きている」の台詞で言えば「何が起こったって驚くことはない」時。でも、淡々といつもと同じ早さで過ぎていってしまう時でもある。
夜の光景と、日本のお正月の厳かな雰囲気を表したくて、黒一色で摺った版画にした。版に使ったのは床材のビニールタイルだ。
I made some illustrations for this story idea in 2014 but nothing came out for a long time.  I entered them to 2015 Golden Pinwheel International Illustrators Competition and they were exhibited at the Shanghai International Children's Book Fair among the artworks by 50 winners.  But the idea was still left alone for quite a while until my editor decided to publish it in spring 2016.  So I am very happy that it finally became a book!  



この絵本は、お話とイラストだけでなく、本のデザインもやらせていただいた。ジャケットは、広げると一枚絵になっている。



船橋に住んでいた小学生の頃、大晦日は毎年のように夜道を数十分歩いて、飯山満の光明寺に除夜の鐘をつきに詣でていた。過去のブログを探していたら、2007年のスケッチが見つかった。
お話を思いついたのは、留学から帰ってきた年に除夜の鐘をつきに行ったときだった。イギリスでのお正月は、クリスマス休暇の延長でしかなく、若者が飲んで騒いで終わってしまうような日だ。正月明けの5日が大学の1学期の課題の提出日だったので、三が日はのんびりするどころではなかった。
世界中に新年を祝う行事はたくさんあるけれど、カレンダーでの最初の日である1月1日に行っているところは意外と少なく、また日本のように厳かなのも少ない。

先日、絵本が出来上がったので光明寺にお礼参りに行ってきた。はじめて昼間の光で境内を見たらとても小さく感じた。まわりに闇があるだけで、大きく神秘的な場所に見えるものなんだな。



絵本の出版が決まったあと、編集者と松戸の東漸寺に取材にも行った。もちろん、大晦日にだ。



かがり火のスケッチ。これを元にタイトルページに図柄を彫った。



I had to create most of the artwork within a few months after I finished making the artworks for the "Magnificent Birds" book.  Because, of course, this book had to be published before the New Year's Eve!  



レトロでアートな雰囲気を出したくて、紙はマット紙で、とお願いしたのだが、マットな紙に真っ黒を印刷するのは難しく、紙や墨の色数を変えたりと、印刷会社の方が大変な試行錯誤を重ねてくださった。よってこんなに様々な見本ができてしまたった!
光沢のある紙ならば黒は簡単にきれいに黒く出るのだが、光ってしまうので深みがなく、工業製品っぽさが強くなる。でもマットな紙はインクを吸い込むので、なかなか黒くはならないのだ。



The book was printed beautifully on matte paper.  But before getting the rich black colour, the printing company tried on many paper with different ink pressure and so on.  

2 November 2017

Magnificent Birds

It's the PUBLICATION DAY of a gorgeous picture book "Magnificent Birds," which I illustrated and published by Walker Studio!
The Walker Books started a partnership with RSPB this year to produce several bird books and this is the second one in the line.   I am very proud of myself to get this chance to create a book with them and have completed the project like this.  

イギリスで、わたしが絵を描いた絵本が出た! "Magnificent Birds"という世界の"すごい"鳥14種を紹介した絵本で、見開きの大きな絵が15枚も入っている、何やら画集みたいな本になった。



Magnificent Birds
Walker Studio 著、Narisa Togo 絵
Walker Studio 出版 £15.00
I created all the artworks by reduction linocut and only used four or five colours  per image.  
"すごい"鳥14種には、最も速く飛べる鳥ハヤブサ、一番翼が長いワタリアホウドリ、長距離をノンストップで飛ぶオグロシギ、マイナス60度の寒さにもなる南極で繁殖するコウテイペンギン、派手な羽飾りを見せびらかせてダンスするオオフウチョウなどが入っていて、表紙は、日本人アーティストを起用したからか、タンチョウが選ばれた。



It all started last November when I received an e-mail from my editor from the hedgehog story of the Mumsnet Book, asking if I would be interested in illustrating a book of birds.  
Of course, I would!  
Although I had several works going on at that time, I had to squeeze this project in. 




The colour rough that I created by drawing loose digitally. I found that  planning these in layers in photoshop helps me when I carve lino, especially in reduction method.
すでに小さな仕事は一緒にやったことがあったとはいえ、一度しか会ったことのない編集者と、基本的にはメールのやり取りだけで仕事した。でもお互いにラフやラフの改善すべき点を画像で視覚化してやりとりしたので、かなりスムーズだった。地球のどこにいたって、一緒に仕事したいと思った人と仕事できてしまう。すごいことだと思う。



And this is how I made the image layer by layer in reduction method. There were 18 images to make and each had four or five layers of colour. That means that I must have carved and printed nearly 80 layers, although I only used one block per image.  For three entire months, I did nothing but carve and print, and carve and print, and carve and print.  



最終画を作っている最中に、プロモーションに使うから、スタジオで制作している様子の写真をだれか友達に撮ってもらって送って、と編集者に頼まれた。ス、スタジオ?! これだけ版画で制作しているなら、スタジオスペースを借りているに違いないと思われたのだろうか。わたしの"スタジオ"は部屋ですらなく、中学生の頃から変わらぬ机スペースだけ。もちろんプリントメイキング・スタジオにあるようなプレス機があるわけもなく、プラスチック板とパレットナイフとローラーとばれんと人力だけという、なんとも単純な装置なのだ・・・。とても友達を呼べる空間でもない!



This was the first colour proof.   You can perhaps imagine the taste of inside pages!

It is a very international book, not only the contents but also the process of making it.  The project started in the UK and the artworks were created in Japan and the book was printed in China. The linoleum blocks were from the UK and the linoleum cutter was from the U.S. and the baren was from Japan!

日本では、新宿南口にある洋書を扱うBooks Kinokuniyaに置いているほか、日本のアマゾンでも取り扱っているので、クリスマスプレゼントにぜひ!

31 October 2017

秋の展示その3

今週末はジャパン・バード・フェスティバル2017
例年だって直前までバタバタなのに、今年は秋のイベントが重なりすぎて、てんてこ舞い。
個人ブースは出しませんが、日本ワイルドライフアート協会の有志とともに展示・物販ブースに参加します。
The Japan Bird Festival will be held this weekend at Teganuma marsh in Abiko, Chiba.

リトルターン・アート・プロジェクト作品展



NPO法人リトルターン・プロジェクトと日本ワイルドライフアート協会有志が共同で立ち上げたプロジェクトで、アートの力でコアジサシを知ってもらい、守ろうというものだ。20名近いアーティストが参加し、森ヶ崎水再生センターの屋上のコロニーを取材して、そこから着想を得たコアジサシの作品を一人1点(小作品2点)制作した。 取材の様子の記事はこちら
この展示は、その作品の初のお披露目会となる。
同じ光景、鳥を見たアーティストが、それをどんな形で作品にするのか、わたしも見るのをとても楽しみにしている。



最初の2色を摺って真っ黄色になった9月8日の段階のわたしの絵。5枚限定のリダクション法で作った。

日時:2017年11月4日(土) 9:30~16:00、5日(日)  9:30~15:00

会場:我孫子市生涯学習センターアビスタ 1階ロビー壁面、2階第2学習室
JR我孫子駅の南口より徒歩10分

参加作家:
石山 博司、伊藤 真、大田黒 摩利、大室 清、筧 守、川崎 以和、木部 一樹、栗田 健史、神戸 宇孝、座間 麻美、重原 美智子、たぶき 正博、つぐみ、東郷 なりさ、長島 充、藤田 信雄、伴 義之、福原 勝一、富士鷹 なすび  
特別出品:岩本 久則

● 日本ワイルドライフアート協会・有志のブース
水の館側のオオバン広場で、仲間とともにワイルドライフアートの物販テントブースを出しています。



今年は『きょうは たびびより』の発刊を記念して、本に使った消しゴム判子を用いてたびびより版画カードを作ってみた(1枚1200円)。ヒヨドリ絵本も販売します。
Some small prints that I will be selling during the festival!  



小さくても、単純な絵でも、プリンターによる印刷物ではなくて、本物のアートを、というコンセプトで作っているミニ版画シリーズ(1枚500円)も2種類増やした。基本は一版の消しゴム判子を押して作っているので、やっぱり黒が基調な鳥を選ぶことに。



あと会期が1週間ほどになった逗子の「小さなアート展」に出したリノリウム版画の別摺りも、こんな形で個包装してみた。
I stole the idea from my friend artist, Rosemary Shojaie, to use paper CD case to put the artworks. But since my prints were a little bigger than CDs, I had to make the case myself.  The circle cutter was very useful!     


そしてもう一つ、ワイルドライフアート協会の有志によるグループ展が11月3日からはじまる。
◆◇◆『2017年度 谷津干潟のワイルドライフアート展』◆◇◆
12名の作家による、アクリル、水彩、日本画、色鉛筆、切り絵、版画など様々な技法で描かれた谷津干潟の生き物の絵が30点以上並ぶ展示になる予定だ。わたしは版画1点と水彩2点を出す。



Another group exhibition with twelve other wildlife artists at Yatsuhigata mudflat will be held for a month from 3rd November.

日時:2017年11月3日(金・祝)〜12月3日(日) 9:00-17:00
※入館は16:30まで *11/3は14:00から、12/3は12:00まで ※月曜休館
会場:谷津干潟自然観察センター内 特別展示コーナー (千葉県習志野市秋津5-1-1)
※センターの入場料がかかります。

参加作家:大島 信行、大室 清、筧 守、川崎 以和、木部 一樹、児島 与志郎、東郷 なりさ、中島 ひとみ、伴 義之、福原 勝一、巻島 克之、松岡 潤、松田 蘭子 

30 October 2017

宮島沼のマガン

9月か10月頃に北海道で個展をやりませんか、というお話をいただいたとき、実は真っ先に思ったのは、10月なら宮島沼のマガンに一番いい時期かもしれない、ということだった。それで日程は、マガンの飛来が多そうな上旬から中旬に決まったのだった。



Early October is the best time to watch flocks and flocks of Greater White-fronted Geese at Miyajimanuma, the Ramsar site. On the peak day, people counted 70,000 of them. The geese only stop there for a few days during the autumn migration. After I came back home, my friend in Sapporo wrote to me saying that the number went down to 30,000. So the peak time was only a few days and I was there then!



10月6日のねぐら発ち。満月が沈む朝、次から次へと沼から飛び出した。



少し明るくなったころ、まだ沼に残るマガン。ヒシクイ、ミコアイサ、カイツブリ、オナガガモも見つけた。



11日、ねぐら入りを見に、庭ビル、こどものとも社の方が連れて行ってくださった。
この辺りに住んでいる人は、雁の数で秋のこの時期が近づき、過ぎていくのがわかるんだろうな。そして時期になればこんな数の雁の群れを、毎日夕方に見ているんだなあ。



I tried to capture the shape of the V formation flight. They are very interesting lines on the canvas of sky.



Swans and a Bean Goose.

29 October 2017

Bird sketches from Hokkaido

何しろ18年ぶりの北海道だったので、北海道に行くからには、ブラキストン線の向こうにしかいない鳥が何か一つでも見れたらいいなという、とても低い目標設定をしていたら、シマエナガ、ハシブトガラ、ミヤマカケス、シロハラゴジュウカラに加えて、クマゲラが飛ぶのを2度も見て、大満足だった。
I watched many good birds in Hokkaido although I could not sketch many.



エゾライチョウ!
We saw a couple of the Hazel Grouse. They were feeding on the ground but the male occasionally cocked its spread tail feathers, which seemed to be showing it off to female. 



The Hazel Grouse is one of those continental species that lives in Hokkaido but not in other southern islands in Japan.  



車のフロントガラス越しではあったけれど、長い事、間近で見られた。



10月7日、木の高いところに群れで止まる、渡り途中のツグミも見た。
北海道でしか見られない種や亜種もいいけれど、見慣れた鳥の別の顔が見られるのもうれしい。
キレンジャクも1羽、遠い木立の上に止まったのを見た。渡りの季節が実感できた。



Great spotted Woodpecker.
アカゲラをたくさん見たのも印象的だった。本州でも少し標高が高いところに行けば、日に何度も見るほどいるだろうか。それにしてもよく見かけた気がする。



Merlin. 



ひたすら長いトンネル後のトンネルの後にたどり着いた占冠のパーキングエリアには蛾がいっぱい集まっていた! 
スケッチブックを持ち出し、喫煙スペースや自販機の横で、しばし必死に壁面とにらめっこする怪しい人になる羽目に。

北海道の秋景色

When I was in Hokkaido, it was the best season for autumnal colour.



今回の旅では、十勝連峰をほぼぐるりと一周した。場所によって樹種も紅葉の進み具合も異なって山の色が違った。一番、紅葉真っ盛りだったのは、糠平湖だった。朝もやの中の紅葉も、朝日を浴びてオレンジに輝いたときも、日中の一枚一枚の葉の色がわかる時も、夕日の当たった色も、それぞれに美しかった。



旭岳。



士幌線のかつての終点駅、十勝三股の風景。
It was a woodland of white birch and I wished that I could draw the white trunk by carving lino instead of trying hard to leave it white with water colour brush.



I always find many things and scenery I want to make paintings or prints during trips. But the sad reality is that when I go back home, there are jobs, which I need to catch up with, are sure to be waiting for me and by the time I finish them all, the creative energy is somewhat lower.
Sketching on the spot is good because I can certainly draw when I am passionate about the object or scenery. But then I am restricted with the media and time I use.




ツバメオモト、コヒオドシ。



バイカモが咲いていた。