30 September 2017

秋の展示その1

この秋は、ありがたいことにあちこちで作品展示の機会をいただいていて忙しい。うちの中は額だらけで身動きできないほど。タブローを描いて展示して売るということを本気でやろうと思ったら、まずはそれなりに広い家を持てるような身分にならないといけないんだな、とちょっと実感してしまったりする。
This autumn, I have quite a few chances to exhibit my artworks.  The first two had already started last week.  

今日から逗子のギャラリーで「小さなアート展 豆絵画、豆皿」がはじまった。展示の名称の通り、ハガキサイズ以下の小さな作品を集めた、技法や描く対象も様々な25名の作家による展示だ。
画家なら大きな絵が描けないと、と言われることもあるけれど、大きな絵は描くにも、飾るにも大きな家がいる。でもどこに住んでいたって、アートを楽しめてよいはずだ。
展覧会で数分間じっくり楽しむのもいいけれど、家に飾ってあると、何度も何度も見るのではじめて気付く発見もある。イギリスでお世話なっていたお家に、地元アーティストの作品をはじめとしたたくさんの絵が飾ってあって、それを毎日眺める贅沢な暮らしをして、それを実感した。
アートを楽しむ始めの一歩になるような作品に出会える展示になっていたらいいなと思う。



◆◇ 小さなアート展「豆絵画、豆皿」 ◇◆
日時:2017年9月30日(土)〜11月12日(日) 11:00〜17:00。
※火曜定休。
場所:zushi art gallery (逗子市逗子5-11-31)
京急新逗子駅から徒歩2分、JR逗子駅から徒歩11分。田越川沿いにある一軒。
参加作家は下のDM画像をご確認ください。



逗子アートフェスティバルの期間に合わせた開催で、11月12日までと長期なので、機会がありましたらお立ち寄りください。
I am joining Zushi Art Gallery's "Miniature Art Exhibition" with 24 other artists. There will only be paintings smaller than a postcard size. Mine will be four bird lino prints and three monoprints of sea creature.



わたしは鳥と海の生き物の版画7点を飾っている。自然の絵ということで、正面の窓の横のとても素敵なスペースに飾らせていただきました!

日本ワイルドライフアート協会の例展も市ヶ谷の山𦚰ギャラリーで開催されています。こちらは月・火の2日を残すのみ。

◆◇ 日本ワイルドライフアート協会展 野生動物・絵と立体の世界 ◇◆
日時:2017年9月27日(水)〜10月3日(火) 11:00〜18:00。
※1日(日)は休館。3日は14時まで。3日は在廊しています。
場所:山𦚰ギャラリー(市ヶ谷駅より徒歩1分)



日本自然保護協会とのお仕事で作ったイヌワシの版画を2点出しています。左の絵はイヌワシの実物大ポップの原画となったもので、実物大の2分1サイズで制作したが、それでも「豆絵」からは程遠い、わたしが制作する最大級の版画になった。
I am exhibiting two reduction linocut prints of the Golden Eagle at the Wildlife Art Exhibition at Yamawaki Gallery, Ichigaya.



この次は札幌での個展です! 4日間だけですが、お近くの方はぜひ。
とりあえず概要だけ。

「自然のなかの物語 絵本作家 東郷なりさの個展」
日時:2017年10月11日(水)〜14日(土) 11:00〜19:00
会場:2階・庭ギャラリー 札幌市中央区大通西17丁目1−7 庭ビル 2F
※14日(土)に在廊予定です。

26 September 2017

第14回フィールドスケッチ会

9月24日、わたしが忙しすぎたせいで、一年ぶりとなってしまったフィールドスケッチ会を東京港野鳥公園で行った。何はともあれ、再開できて、参加してくださる方がいたことがうれしい。
公式ブログはヒヨ吉さんが報告を書いてくださった。
We had a field sketching day at Tokyo Port Wild Bird Park. It was held for the first time in a year as I was too busy to organise it for a long time. But this autumn, we hope to do it more often.



Spot-billed Ducks, preening and sleeping.
シギチはイカルチドリとイソシギくらいで、渡りの小鳥も見つけられなかったけれど、そんな時こそ、一般種をしっかり描くチャンスだと思っている。



I was rather happy to capture the duck stretching its foot.  



ニシキギにキバラヘリカメムシがたくさんついていた。幼虫も成虫も、羽化したての個体までも! 成虫になったばかりは、きれいな黄色で脚や点は赤い。
お披露目会でのようたさんのスケッチを拝見して、もうちょっとニシキギの木も描き込めば良かったと反省。



Grey Heron.



There was another participant who drew the same resting Heron from a different angle.  It's fun to find out at the crit in the end that we were interested in the same thing even though we were at a different hide then.   



Cormorants were resting, too.  Many of them were closing their eyes and did not look charming at all...!



お披露目会の直前に高鳴きしているモズの雄を見つけてスケッチをはじめた。動き回っていたので、その度にもう一度形を描きはじめた。あとから見てみたら、段々とモズらしい形—とくに頭部—が取れるようになっているのが分かる気がした。一番上の真ん中のモズが最初に描いたもの、次が真ん中、そして左上、左下という順番だ。一度描いて上手くいかなかったとしても、何度もチャレンジする甲斐はある。

24 September 2017

9月の虫たち

まだセミが鳴いているうちは、そういつも鳥が見られるわけではないので、いつのまにやらスケッチブックは虫ばかり。
September is not a very good season for birding in my area so my sketchbook was filled with insects sketches.



ナガコガネグモ (Wasp spider)



A moth in our so called rain garden. 
アパートの小さな前庭で見つけたガ。何だろうと聞いたらすぐに「ホソオビアシブトクチバではないか」と返ってきた。次の瞬間には忘れそうな長い名前だけれど、わかるとうれしい。



ダイダイガサ



イラガの幼虫。
毒毛虫だけれど、よく見ると青い点などが美しい。
友人がチヌークなどのタンデムローターのヘリコプターをイラガヘリと呼んでいたのを思い出す。

20 September 2017

大磯のアオバト

Early September, I went to Terugasaki rocky shore in Oiso to watch flocks of green pigeons come to drink sea water.  It's something I want to see at least once during a summer season! 



White-bellied Green Pigeons.  
夏の間はいつふらりと出かけても、カウントをしているこまたんの方にお会いできて、今年の状況や最近分かった事などを教えてもらえるのもうれしい。



It is a very rough sketch but this is the scene you will see there; a flock of green pigeon in the background of sandy beach with pine windbreak and Tanzawa mountain!  



アオバトのあの印象的なお尻の模様を描きたいと思うのだが、海水を飲むのは一瞬なので、その姿をとらえるのは難しい。



I did a lot of doodling!



Grey-tailed Tattler, sadly with a orange fishline entangled.  
岩場に降り立ったキアシシギ。一瞬、フラッグを付けているのかと思ったけれど、オレンジだしと思い、よく見たら、かわいそうに右足にテグスが絡み付いてしまっているようだった。スムーズに歩けずに、片足で飛び回るように動いていた。そのうちうまく取れてくれたらよいけれど……。

10 September 2017

三ツ峠の花と虫と

夏に久しぶりに山に登った。長らく引き蘢って、まともに歩くことすらしていなかったので、もちろんアルプスなどに挑めるはずもなく、ハイキング気分で三ツ峠に。しかも生き物を見つけては立ち止まり、スケッチしているので、5歳くらいの子にすら抜かされていく。
Sketches from Mitsutouge mountain in the end of August.  



I spotted a wild colombine near the top of the mountain.  
ヤマオダマキ。冬から春にかけて取り組んでいたプロジェクトでオダマキ属の花を描いたので、いつのまにか親しみを感じはじめた花。山頂付近で一輪だけ咲いているのを見つけた。やっぱり野生のを見つけたときはうれしい。



テンニンソウの花に集まるアサギマダラ。
Chestnut Tigers and a Peacock.  
The Chestnut Tiger is a migratory butterfly.  There were many of them feeding on flowers to get the energy which was a perfect chance for me to draw.



あまり細部にはこだわらずに、ざっくり雰囲気を描いてみた。



ちょっと花の時期が終わりかけで、きれいに咲いているのを探すのに苦労したレンゲショウマ。



見た目はスズメバチだけれど、よく見ると触覚や目、足の雰囲気は蛾。動きもいかにもハチっぽい。どうやらスズメバチに擬態しているセスジスカシバという蛾らしい。毒を持っているなど危険な生物に似ることで、天敵からの補食を避ける、ベイツ型擬態の典型例。





タマゴタケ。顔を出したばっかりのと、開いたのと。



河口湖周辺でムササビも見た! 
Japanese giant flying squirrel.

6 September 2017

渡りの季節

9月。だらだらと8月の夏気分を引きずっていないで心機一転何かしなくてはと感じるのは、3年間9月はじまりのイギリスにいたからだろうか。涼しい日がつづいて、すでに秋らしい雰囲気になっているからだろうか。



I believe today, September 6th, is the World Shorebirds Day.  So I will put up my drawing of Turnstone from the other day.  In my area, it is not so easy to find plovers and sandpipers as there are only little mudflats and very few paddy fields.  But I could still find some and be aware of the migration season.  



I saw three common terns, too.
天神島でアジサシ3羽が岩礁で休んだり、ホバリングして魚をとったりしていた。
笠島にアオサギがたくさんいるので、試しに適当に数え始めたら77羽確認できた。数え損ねていたり、見えていない部分にいた個体も考えると、90羽近くはいたに違いない。



葉の手触りが本当に猫の舌に似ているというネコノシタ。『花のおもしろフィールド図鑑』でおすすめされているように動物の猫の舌の実物を触ってから、とはいかなかったので、葉のざらざらに触れてはみたものの、比べようはなかった。残念。